不幸を招く8つの心使いの一つ、『惜しむ心』。
先ず言葉の意味について調べてみましょう。
おし・む 【惜しむ】
① 自分の金銭や物品を大切に思い、使わずに済ませようとする。
② 自分の労力を使うのをいやがる。普通は否定表現とともに用いる。
一言で表わせば『出し惜しみ』する心ですね。
何を出し惜しむかと言うと、優しい心、思いやりの心、つまり他人を『喜ばせる心使い』全般です。
具体的な例を挙げると・・・
- 友人達とドライブする際に、車の持ち主にガソリン代を出して貰っているのに、食事代は割り勘にして余計な出費を惜しむ。
- せっかく旅費を得しているのに、相手の分まで食事代を支払ってしまうとお得感が失われ、逆に損した気分になる。
これでは自分の損得でしか物事を計れていません。
相手の立場は何処に行ったのでしょうか?
少しでも相手の立場を想像できたら物事が違って見えるのですが・・・。
運転で疲れているだろう。
車の維持費やガソリン代も馬鹿にならない。
電車なら高額な交通費が掛かってしまう。
車で安く来られたのだからガソリン代は私が負担しよう。
相手がガソリン代の受け取りを拒否したとしても、労う気持ちがあれば相手も運転した甲斐があったと実感できて嬉しいものです。
車を用意し運転する思いやり。
運転手を労いガソリン代を負担する思いやり。
ほんの少しの思いやりを掛け合うことで、ドライブも益々思い出深いものになるでしょう。
まあ、これ位の心使いなら大抵の方は自然に行えると思いますが、損得勘定で思考してしまうと、どうしても利己的になり、出し惜しみして『喜びの種』を蒔くチャンスを失ってしまいます。
余談になりますが・・・
寿限無も若い頃に、友人が購入したオープンカーでドライブに連れて行った貰ったことがありました。その日は快晴で景色も素晴らしく、オープンカーは気持ち良かったので、感謝を込めて食事をご馳走したのですが、あろう事か友人は料理に対して『不味い不味い』と頻りに文句を言い続けていました。
せっかくご馳走したのに喜ぶどころか『不味い』を連発するので、寿限無も流石に気分を害し、『せっかくご馳走したのに文句ばかり言うなよ』と小言で悪い雰囲気に追い打ちを掛けてしまいました。
この時、寿限無の発言は『恩着せがましい』の誹りを免れません。
元々友人に恩があり、そのお礼として食事代を払ったのだから、料理をどう味わおうが友人の勝手なはず。寿限無の『友人に喜んで欲しい』と思う気持ちは叶いませんでしたが、いつの間にか『友人には喜ぶ義務がある』と思い違いし、友人を批判する発言に至ったのです。
せっかく食事代を出したのに、やっぱり出さなければ良かった・・・。
これも一つの『出し惜しみ』と言えます。
その後、友人が放ったユーモラスな一言で場が和みました。
『食事代自分で払うから「不味いって言わせて~!」』
寿限無も爆笑し、友人のお陰でドライブに楽しい思い出が添えられました。
まあ、正直言って料理は美味しくありませんでしたが・・・。
自分が経済的に苦しいのに無理して出す必要はありません。
自分にできる範囲で出すか、本当に余裕が無い場合は丁重に断ればいいのです。
ケチな奴と陰口を言われるかもしれない・・・。
嫌われるかもしれない・・・。
余計な心配は『喜べない種』になるだけ。
心配は無用。
『心通りの理』ですから真意はちゃんと伝わります。
相手が困っているのに、面倒くさい怠いからと手伝いを拒否する。
せっかく与えられた縁。
喜びの種を蒔くチャンスに巡り会ったのに、出し惜しむ心で機会損失。
出し惜しみせず『喜びの種』を蒔くことを楽しみにしましょう。
それが『幸せの実』になるのです。
与えられた縁を大切に。
『人の喜びを見て楽しむ心』を忘れずに。
沢山『喜びの種』を蒔き、沢山の幸せを招いてください。
不幸を招く8つの心使いシリーズ
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