Betcha By Golly Wow!・これまでに書かれた最も美しいメロディかもしれない

曲名:
Betcha By Golly Wow!(ゴーリー・ワウ!)

アルバム名:
Emancipation(イマンシペイション)

作者:Thom Bell and Linda Creed

ある日のこと、寿限無はいつも通り行きつけの本屋でFMファンを手に取り、プリンス新譜情報をチェックしていた。

そこには待ちに待ったニューアルバム発売のアナウンス。

11月19日(1996年)ニューアルバム Emancipation(イマンシペイション)発売決定!

やったーーー!うれしいーーー!
おお!しかも3枚組!?全36曲!!!
スゲーーーー!最高!!!

寿限無の興奮はMAXに達し、気分は有頂天!まさに天にも届きそうな勢いだった。
だが、次の一文で寿限無の気分は地の底へと叩き落とされることになる・・・

「第一弾シングル:Betcha By Golly Wow! プリンス初のカバー曲!」

FMファンを持つ手はワナワナ、足がガクガクと震え、立っているのがやっとの状態。
気が遠のき、その場で卒倒する寸前だった。

ば、ばかな!
あのプリンスが他アーティストの曲をカバーするなんて!
しかも第一弾シングルとして!
う、うそだ!
未発表曲が500曲とも言われているのに何故他人の曲なんか歌うのだ!
しかもゴーリー・ワウ!?The Stylisticsのカバー?(オリジナルはConnie Stevens 「Keep Going Strong」)ベストアルバムで所有しているが、地味で印象に残らない退屈な曲じゃないか!(不屈の名曲になんて言いぐさ・・・)
く、くやしい!
天才プリンスが、十把一絡げのアーティストの軍門に降るなんて・・・(ちなみにソングライターはThom Bell and Linda Creed。こちらも凄い方なの!)
なんたる屈辱・・・

なぜ寿限無はカバー曲1つで天地がひっくり返るような大騒ぎをしているのか?
不思議に思わることでしょう。

「他人の曲を絶対にカバーしない」

これは全プリンスファンを支えるアイデンティティーであり誇りだったのだ!

たまにシークレットライブ会場でカバーすることはあった。
天才の解釈で演奏される他アーティストの曲もまた刺激的で魅力的だった・・・
しかし!正式にアルバムに収録するなんて!

汚された!全プリンスファンの誇りが汚された!
これから我々は何を信じて生きて行けばいいのか?!

まさにこの日・・・
全プリンスファンが泣いた!

その後、アルバム発売日まで、どのように過ごしたか記憶がない。(20年前の日常を覚えている方がおかしい)

だが、アルバムには36曲も収録されている。
その内のたった4曲(カバーは4曲も収録されていた)と思えば少しは気が楽・・・うん、大丈夫。多分耐えられる。いや、耐えて見せる!
実際、CDを購入し手にした瞬間は再び興奮MAX!気分は有頂天!!!
家の神棚にCDを置き、先ず神様にお礼を申し上げた。

「プリンスの新譜をお聴かせいただく幸福をお与え頂き誠に有り難うございます!」

そしてアルバムを開封し、一曲一曲・・・曲が進行し、6曲目、問題の第一弾シングル、Betcha By Golly Wow!(ゴーリー・ワウ!)。

なにこれ?
これって、あの曲?スタイリスティクスの・・・?
違う!
これはプリンスの曲だ!
こんなステキな曲は今まで聴いたことがない!
心がとろける!
背中から羽が生えてお空も飛べる気分。
なんてことだ!原曲はダイヤの原石に過ぎなかった!
プリンスの手によってBetcha By Golly Wow!はダイヤモンドに生まれ変わったのだ!

ウァー!ウォー!確かに君こそ私が待っていた曲!!!
(補足:何かに感激したり、驚いたり、すばらしいと思った時に、Betcha By Golly Wow!と言うらしい)

天才プリンス。
その意味を強烈に再認識すると同時に、全プリンスファンの誇りも取り戻した名曲中の名曲。Betcha By Golly Wow!(ゴーリー・ワウ!)。

寿限無は感動のあまり、自分の結婚式の入場曲としてBetcha By Golly Wow!(ゴーリー・ワウ!)を流し、更に調子にノって兄の結婚式でも同曲を流したのであった・・・

プリンスは曲の解説でBetcha By Golly Wow!を以下のように評価した。

「これまでに書かれた最も美しいメロディかもしれない」

うん、プリンス版「Betcha By Golly Wow!」を聞いたら寿限無もそう思う。
いや、全プリンスファンがそう思う!
それが全プリンスファンの総意なのだ!

たぶん・・・

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