【アルバム】Chaos and Disorder・混沌と無秩序が今日オレの世界を支配している!

アルバム:Chaos and Disorder(カオス・アンド・ディスオーダー)
  1.  Chaos And Disorder
  2.  I Like It There
  3. Dinner With Delores
  4. The Same December
  5. Right And Wrong
  6. Zannalee
  7. I Rock Therefore I Am
  8. Into The Light
  9. I Will
  10. Dig U Better Dead
  11. Had U
Chaos and Disorder

人生、何が起こるか解らない。
寿限無はこの歳になってマッチにハマっている。
マッチだぞ。ライターじゃないぞ。
近藤真彦の歌にハマって連日「おーろーかーもーのよ♪」とハミングしながら仕事やブログを書いている。

マッチにハマる切っ掛けは・・・
車で娘を駅まで送る途中、ラジオからマッチ特集が放送されたのだが、その時流れていたマッチメドレーを聴いて「あっ、この曲知っている、懐かしい・・・」ってなって、Youtubeで曲を聴いている内に何時の間にか全面的にハマってしまったのだ。

若い頃は「馬鹿」な印象しかなかったマッチに、まさか人生の折り返し地点を越えた中年になって昭和のアイドルにハマるなんて・・・誰が想像しただろうか?
ところで先程、マッチのことを「馬鹿」な印象しかなかった・・・と大変失礼なことを書いてしまったが、よくよく考えたら、これは全て片岡鶴太郎のせいだ!
鶴太郎の「マッチでーーーす!」と馬鹿丸出しの物真似が強烈なインパクとして、寿限無の脳裏に擦り込まれていたからだ!
憎むべきは鶴太郎!

マッチはカッコいい男なのだ!
「マッチってカッコいいね?」と妻に尋ねたら「何処が?」と怪訝な顔され「大丈夫?」と精神状態を心配された・・・
だが、そんな妻もマッチ世代。曲を流していると、曲に合わせて熱唱しているので内心はカッコいいと思っているに違いない。
でも、なぜ、妻は馬鹿っぽい歌い方で熱唱するのか・・・
全て鶴太郎のせいだ!

そんな鶴太郎の陰謀により、全世界的にお馬鹿な印象を植え付けられた悲劇のヒーロー・近藤真彦。
そのマッチをカッコいい!マッチの曲にハマっている!と言えば、恐らく「馬鹿なマッチ」と「天才プリンス」が同レベルに見られ、寿限無がブログで「プリンスは天才なの!凄いアーティストなの!」と力説しても、誰も耳を貸さないだろう・・・。
だが、聞いて欲しい。
音楽なんて、その時、その場のノリで楽しみれば、それで良いのではないでしょうか?
寿限無はプリンスだけを聴いている訳では無いのです。
その他、洋邦問わず多くのアーティストを聴いているし、特に拘りがある訳でもなく、子供達が好きな流行りの音楽も一緒に聴くし、歌う。
素晴らしい音楽は世の中に沢山存在する・・・

・・・だがプリンスが別。
寿限無にとって音楽は「プリンスの音楽」と「その他の音楽」に二分されている。
プリンスは音楽であって音楽ではない。
プリンスミュージックという新しい音楽の形態・・・なのだ!

プリンス最高ー!イエー!と連日ブログで投稿しているので、昼夜問わず狂った様にプリンスを聴き続けている印象を与えているかも知れないが、「その他の音楽」と比べて、むしろ、プリンスの音楽を流す方が少ない。
何故ならプリンスは大切な曲だから。
流し聴きなど出来ない愛しい曲だから。
プリンスを聴く時は他に何もせず、プリンスワールドにどっぷりと浸りたいから。
寿限無にとってプリンスは聖域。
そこに行けば必ず最高の音楽に出会えるし、必ず幸せになれる。
そして才気溢れる音を聴くことで、小さな拘りから解放され、自由に発想するヒントを得られるのだ。

そんな訳で軽々しく聴けないプリンスだが、ある日、例外が発生した。
軽々しく聴いて良いアルバムがリリースされたのだ!

ふー・・・長い前振りだったが、ここからが本題。

本アルバム「Chaos and Disorder」はプリンス18枚目の作品。
怒れるプリンスによって、まるで捨て猫の様にリリースされた、いわく付きアルバム。

当時、プリンスは契約関係で揉めていた。
自由な創作活動が出来ないの!
マスターテープはアーティストのもの!
レコード会社ワーナーと喧嘩していた・・・というより、一方的にいちゃもんを付けていた・・・という印象だが・・・。
当時マイケルを超える破格の契約金、プラス副社長の椅子まで用意されての好待遇。
それに気をよくしてサインしたのはご自分のはず。
それを後になって「曲作りに口出しするな!」って、ちゃんと契約書読まれたのかしら?
会社だって悪気がある訳じゃないと思うよ?
少し売れ筋の曲を増やして、より多くの層にアピールできれば、マイケル並のヒットだたって量産できるはず・・・。
それについては寿限無だって同じように考えている。
プリンスの未発表曲を探索しているとステキな楽曲の多さに驚く。「ああ・・・この曲と、この曲が入っていたら、もっとヒットしていたのに!」
なぜ、このアルバム構成にしたのか?他の選択肢は無かったのか?
なぜ、売れそうな曲を外してまで新しい挑戦をし続けるのか?
一介のファンでも歯がゆいと言うのに、CDを販売する側としたら歯がゆすぎて歯茎から血を流すレベルだろう・・・。

まあ、そんなこんなで、そんな中、アルバムは発売された。
CDの解説(渋谷陽一)には「2日というSF的スピードで録音された」と記されている。
多少盛っているかも知れないが、もの凄く早いスピードで作業が完了したのは間違いあるまい。
って言うか、早くアルバムを完成させて契約完了!ワーナーとはオサラバしたい!
そんなプリンスの雑な気持ちが、そのまま音に表れたのか・・・アルバム全編通して今まで聴いたことの無い雑さ・・・。
アルバムを聴いた第一印象はこんな感じで、ショックの余り、しばらく放心してしまった。

「プリンスの馬鹿!なんで、こんなアルバムをリリースしたのか!ファンを裏切るのか!」

いや、よく考えたらプリンスというアーティストはファンを裏切り続けた。
だが、その度に思慮の浅さを恥じた、天才の感性と凡人の感性に隔たりがあっただけ・・・いつもそうだ。
でも、今回に限り、それは当て嵌まりそうもない。
投げやりで作った割には、こぢんまりと佳曲が並べられ、聞き覚えのあるフレーズばかりで、目新しさは何処にもない・・・。

プリンスが雑な気持ちで作った雑なアルバム。
だから聴く側も当然、雑に聴く。
雑に聞き流し、BGMとして雑に流し続ける・・・
裏切られたファンは雑な気持ちで数日間を過ごす・・・
そして、いつもの様式美。

なんてカッコいいアルバムなんだ!

毎度お馴染みプリンスファン好例「手のひら返し」。

ああ・・・プリンス、また君にしてやられた・・・君ははじめから計画的だったんだ。スキャンダラスな話題で我々の意識を反らし、その隙にマジックの種を仕込んでいたんだ。
種も仕掛けも無いと思い込んでいたら、いつの間にかプリンスミュージックに夢中になっている・・・あなたはマジシャンか?否、魔法使い?
NO!あなたは神だ!音楽の神だ!

プリンスはいつだって妥協はしない。
いつだって自分の思うがままに曲を作り、その直感に従い曲をリリースする。
会社や世間、ファンにさえ迎合しない。
いつだってプリンスはプリンスの音を発表し続ける。
それがプリンスが天才である所以。
それを止めたらプリンスはプリンスでは無くなる。
だからこそ、彼は唯一無二の存在なのだ・・・。

いずれマッチブームの熱が冷める時が来るだろう。
だがプリンスへの熱が冷めることはない。
君の虜になってから今日まで、君を思うと未だに胸が熱くなるのだ。
おそらく、これからも・・・永遠に・・・

追記:
ブログタイトルの「混沌と無秩序が今日オレの世界を支配している!」は、アルバムタイトルにして一曲目を飾る「Chaos and Disorder」サビの邦訳。

マッチにハマっている今の俺にピッタリの歌詞かと思いきや・・・
これは鶴太郎・・・
お前のことだー!つるたろーーーー!

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