一下り目 寿的解説
『十ドッとりめがさだまりた』
全文
一下り目
- 一ッ
- 正月こゑのさづけは やれめづらしい
- 二ニ
- につこりさづけもろたら やれたのもしや
- 三ニ
- さんざいこゝろをさだめ
- 四ッ
- よのなか
- 五ッ
- りをふく
- 六ッ
- むしやうにでけまわす
- 七ッ
- なにかにつくりとるなら
- 八ッ
- やまとハほうねんや
- 九ッ
- こゝまでついてこい
- 十ドッ
- とりめがさだまりた
- (なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと)
十首
十ドッとりめがさだまりた
概要
『とりめ』とは収穫量のこと。
つまり『とりめがさだまりた』とは「収穫量の安定」を意味します。
『九ッ こゝまでついてこい』と諭す神様の思いを悟り、神様のつとめに『永遠に着いていく』と心が定まれば、あらゆるの守護が安定するのです。
安定した暮し
農作物の収穫量は農家の収入に直結するので、安定した収穫量を維持することが、安定した生活に繋がることは言うまでもありません。
しかし農作業とは自然と対峙する仕事なので、天候、病、害虫などに左右される宿命を抱え、計画通りに収穫量を安定させることが難しい仕事ですが、これは何も農家に限ったことではなく、どんな仕事でも安定した収益・収入を得る難しさは、誰もが頭を悩ます問題ではないでしょうか?
これが「安定した暮し」になると条件は更に複雑化します。
「安定した暮し」を支えるためには様々な難問をクリアする必要があります。
- 安定した収入
- 安定した健康
- 安定した人間関係
- 安定した治安
- 安定した社会・世界情勢
- 安定した自然
日本にも、雇用、貧困、いじめ、出生率の低下、高齢化社会、地震などの自然災害・・・「安定した暮し」を妨げる様々な問題が山積しています。
「安定した暮し」を望まない人はいません。
持病で苦しんだり、生活が困窮したり、人間関係がこじれたり、天災地変が続いたり・・・
不安定な暮しでは心が荒み、人生を呪い、生まれたことを後悔するばかりか、他人の暮しや命までも脅かし、挙げ句の果てに自ら命を絶つ人も珍しくはありません。
このように「安定した暮し」は人類が希求する永遠の課題なのです。
「安定した暮らし」は「安定した心」から
天保9年の旬刻限。
人間世界に現れた神様の意識に映し出されたのは「不安定な暮し」に悲観する人間の姿。
神様が人間を創造した目的は陽気ぐらしの実現であり、「安定した暮し」こそ陽気ぐらしそのもの。
そこで神様は「不安定な暮し」を取り払い、「安定した暮し」を実現する理を一下り目に凝縮して教えられたのです。
それでは一下り全体を振り返り、理を纏めてみましょう。
『一ッ 正月こゑのさづけは やれめづらしい』
教組から頂いたのは「ぬか3合、灰3合、土3合」が金肥に変わる不思議な「肥のさづけ」。
人間の常識では考えられない「たいへん珍しいさづけ」ですが、それ自体に不思議な力があるわけではなく・・・
『二ニ につこりさづけもろたら やれたのもしや』
にっこりと「さづけ」を受け取る心に、たいへん頼もしい効能が現れる。
『三ニ さんざいこゝろをさだめ』
それが「三才心」。
親の言葉に「にっこり」微笑む三才児のように、「神様の言葉」に安心して凭れきる「三才心」に定まると・・・
『四ッ よのなか』
「神様の言葉」通りに、豊年満作(よのなか)の守護に授かる。
農作物に限らず、どんな仕事、健康、経済、平和、自然の恵みに至るまで、「神様のお言葉」に安心して凭れる心に「安定した暮らし」が実現するのです。
『五ッ りをふく』
春になれば植物が芽を吹くように、定められた理(法則)に従い、世の中が突き動かされる様は、神様が人間を喜ばせようと理を吹く姿。
同様に人間も心を使うたびに理を吹いている。
人間は芽を摘み取ることも、芽を育てることも自由だが・・・
『六ッ むしやうにでけまわす』
人間が「神様の守護」を実感して喜んでくれたら、神様は無性に嬉しくなり益々喜びの守護が溢れ出す。
『七ッ なにかにつくりとるなら』
要するに、人間は「安定して収穫できる大地」に種を蒔いているも同じこと。
人間はどんな種でも自由に蒔き、心通りに「喜びの実」を作り採ることができる。
故に「安定した喜びの心」で種を蒔き続ければ・・・
『八ッ やまとハほうねんや』
「安定した喜びの収穫」が確約さる。
そして「神様の言葉」を信じる誠の心は一粒万倍の種となり、自分だけではなく、家族、近隣・・・やがては世界一列に喜びを実らせる。
『九ッ こゝまでついてこい』
「神様の言葉」を現実に成しているのが「人間創造のつとめ」。
人間世界の創造原理である「つとめ」を人間に許し出したのが、私達に日々月々年々と運び続けている「おつとめ」なのです。
「おつとめ」に運ぶということは、人間自ら創造原理に直参し、神様と伴に喜びに満ち溢れた「かんろ台世界」の普請に取り掛かるも同じこと。
この「神様の言葉」に勇み立ち、どこまでも「つとめ」に着いて行く心が定まれば・・・
『十ドッ とりめがさだまりた』
「安定した暮らし」が定まる。
まとめ
難病、貧困、飢餓、資源の奪い合い、紛争、自然破壊・・・
世界を眺めれば神様の思惑する「安定した暮らし」にはほど遠い人間の現状ですが、これまで人間が知らず知らずに蒔いた「悪しき種」が心通りに実り、負の循環を引き起こし「不安定な暮らし」を余儀なくしていたのです。
これまで無自覚に理を吹き、自身の運命や世界にただならぬ影響を及ぼしてきた人間ですが、これからは「神様の言葉」を信じ、理を吹く主体として自覚的に「喜びの種」を蒔くならば、今、この瞬間から喜びの未来が始まるのです。
今、目の前に立ちふさがる難儀不自由は、過去に蒔いた種の実り。
どんな実りでも、己の「心通りの守護」と喜んで収穫すれば、後に禍根を残さないばかりか、今から先の未来に「喜びの種」を蒔いたことになる。
人間心なら喜べない難儀不自由でも、「神様の言葉」を信じ安心して凭れることで「喜びの種」に変え、自分自身の心一つで運命を創り変えることができるのです。
そして最上級の「喜びの種」がつとめ一条の心。
つとめさいちがハんよふになあたなら 天のあたえもちがう事なし
おふでさき 第十号 34
どのよふにむつかしくよふみへたとて よふきつとめてみなたすけるで
おふでさき 第十二号 61
「人間の陽気ぐらしを見て共に楽しむ」ことが神様のつとめ。
人間が本当に神様の守護を感じて「陽気の心」でつとめに運ぶなら、神様も喜び勇み、世界一列に一粒万倍の守護をお与えいただける。
「おつとめ」とは、「神様の守護」に感謝と喜びを表明する「最上級の儀礼」なのです。
一下り目の教えが心に定まれば、次は「おつとめ」の実践です。
とんとんと、正月のような晴れやかな気分で陽気に歌い踊りましょう。
これで一下り目の解説を終わります。
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