よろづよ八首 寿的解説 『このもとをくはしくきいた事ならバ いかなものでもこいしなる』

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よろづよ八首 寿的解説
『このもとをくはしくきいた事ならバ いかなものでもこいしなる』

 

よろづよ八首全文

よろづよのせかい一れつみはらせど
むねのわかりたものはない
そのはずやといてきかしたことハない
しらぬがむりでハないわいな
このたびはかみがおもてへあらわれて
なにかいさいをときゝかす
このところやまとのぢばのかみがたと
いうていれどももとしらぬ
このもとをくはしくきいた事ならバ
いかなものでもこいしなる
きゝたくバたづねくるならいうてきかす
よろづいさいのもとなるを
かみがでゝなにかいさいをとくならバ
せかい一れついさむなり
一れつにはやくたすけをいそぐから
せかいのこゝろもいさめかけ
(なむてんりわうのみこと)(よしよし)

 

五首

このもとをくはしくきいた事ならバ いかなものでもこいしなる

神の話を詳しく聞いた事なら、全ての者は恋い慕う。

概要

月日親神様の話を詳しく聞いた事なら、男も女も、大人も子供も、爺も婆も、日本人、アメリカ人、中国人・・・
この世のどんな人間でも神様を恋し慕うと説かれています。

こいしなる

神様のイメージは崇高で偉大?
神様は一般的に恐れ敬う対象と思われてきました。
故に、神様を恋い慕うという表現は、少なからず違和感をおぼえます。

崇め奉る ×
平伏する ×
恋い慕う ○

なぜ、月日親神様は恋い慕う対象なのでしょうか?

こいしたう【恋い慕う】

  1. ひたすら恋しく思う。「郷里の母を恋い慕う」

『おふでさき』では度々、月日は人間の親と記されています。

月日よりないにんけんやないせかい
はじめかけたるをやであるぞや(16-53)

つまり、親を恋い慕うような心境。
親と言っても、そんじょそこらの親ではありません。
いかなものでも恋い慕う親。

何が月日を恋い慕わせるのでしょうか?

それは全人類を恋い慕わせるほどの親の資質
月日が持つに親の資質に全人類を慕わせる要因があるのです。

親の資質

親の資質とは何でしょうか?

結論から言うと、子がもたれられる存在であること。

お腹が空いても、親に凭れていれば必ず満たされる
病気をしても、親に凭れていれば必ず治まる
困った問題が起きても、親に凭れていれば必ず解決できる
挫けそうな時も、親に凭れていれば必ず展望が開ける

どんな時も、どこまでも子が安心して凭れられる存在、それが親の資質
親と共にあれば必ず喜びの心で暮らすことができる・・・
それが子にとって最高の親。

人間の親にこんな事が可能でしょう?
もちろん難しいでしょね。
人間は限界だらけ、どんな素晴らしい親でも無いものは与えられません。

どんなにお金があっても、食物が豊かに育ち、自然の恵みが無ければ与えられない。
どんなに知恵があっても、命を生み出し、成長させ、病気を防ぐことはできない。
どんなに経験があっても、想定外な事態には対応出来ず、自然の猛威には為す術も無い。
どんなに愛情があっても、悪しき運命を退け、良き運命に導くことはできない。

それが可能なのは、この世の大元。
無い世界、無い人間を創造した元なる存在。

人間は今まで元を知らなかった。
人間を造り出した大元の親を知らなかった。

このところやまとのぢばのかみがたと いうていれどももとしらぬ

四首で解説したように、知っても本気にしていなかった。

このもとをくはしくきいた事ならバ いかなものでもこいしなる

この元を詳しく聞けば、どんな人間でも神様を恋し慕う・・・
つまり神様の話を聞いて「恋慕う」気持ちが生まれたら、それが元を知ると言うこと。

凭れるとは?

何故、本気で信じられないのか?
話半分で聞き流し、都合良く解釈して聞いているから?

要するに教組の話を軽く聞いているのです。
ほんの触りだけ聞いて分かったつもりになり、それ以上は深く求めない。
話を聞くのは困った時だけ。
困った時の神頼み。

結局、今さえ良ければ我さえ良ければの延長、その場凌ぎ。
救けられることばかり願い、他人のことはどうでもいい。
かんろ台一条など知ったことではない。

「ここは神様が降臨する不思議な神屋敷」と言うだけで心は伴わない。
しかし、この元を詳しく聞けば、どんな人間でも恋しくなる・・・

このもとをくはしくきいた事ならバ

詳しく聞く・・・

これは理解の問題。
教組の話を理解し、どんな時でも安心して凭れられる確証を得るということ。
つまり教理を会得すること。
難儀不自由の最中でも主体的に教理を用いて、己自身の魂の力で悪因縁を打ち破り、善因縁に変えること。

教組、本席様ご存命当時、身上事情のお伺いがほとんどでした。
身上事情で困れば救けて欲しいのが人情。
だけど神様の諭しは「たんのう」一つ。
身上事情は前生の「いんねんさんげ」であり、「たんのう」の心を治めれば何も案じることはない・・・と教えられていても、現実に身上事情の最中で「たんのう」の心を治められず、お伺いする者が後を絶ちません。

「たんのう」を教理と捉えるなら、「たんのう」すれば問題は万事解決する。
それが道理。
でも「たんのう」の心治めることで、身上事情が治まる道理を理解できないのです。
要するに「たんのう」を詳しく聞いていないのです。

下記の「おさしづ」では、
真面目に信仰しているの身上を患うことが納得できず、本席様にお伺いしたところ、この理(たんのう)を聞き取ってくれと諭されています。

明治二十七年九月二十五日 大江勝之助四十三才身上願
さあ/\尋ねる事情/\、身上どうも心得んと言う。心得んであろう/\。それはどんな理も聞いて居るやろう。又諭すやろう。諭す中に、いんねん事情理も諭すやろう。身上案じてはならんで。案じる事は要らんで。先々どういう事もあったと、心に分かって、事情これより鮮やか一つの理を治めてくれ。いんねんという、しょうと思ても成らん。しょまいと思えども成りて来るがいんねん。朝々気も勇むと言う。なれど、又々事情と言う。よう聞き分け。所々理を始め。一人又々だん/\これだけ尽す中に、どういうものとは更々心に持たず、十分たんのうの理を治め。身上に事情ありては、たんのうの理は治められようまい。なれど、よく理を聞き分けるなら、治められんやない。この理をよう聞き取ってくれるよう

身上事情は、信仰熱心・不真面目・無信仰に関わらず「いんねん」により与えられるもの。
こんなに真面目に信仰しているのに何故?と思えば不足の心になり、いんねんの理詳しく聞き分けていないことになります。
案じる事は要らん」と諭されているにも関わらず、その言葉を誠にできない。

身上のお仕込みを頂いた。よし!たんのうの理を治めよう!

このように教理を用いる発想に至らないのは、拝み祈祷、不思議なたすけを求めるだけで、教組の話を理解していない証拠。
元を知らないのです。
元を詳しく聞いていないのです。

元は人間創造の親。
人間の命と体を創り、教理を定めた親神様。

身上事情のお伺いをすることが悪いわけではありません。
そのお陰で神様の答えをいただき、教理を確立できる側面もあります。

ただ何時までたっても身上事情を案じる姿は、親に凭れる誠の姿とは言えません。
なんだかんだ言って求めているのは身上事情の治まり。
悲しいことに、医者、薬の代用として神様に救けを求めているに過ぎない。
「かんろ台一条」「世界救け」は二の次で、詰まるところ今さえ良ければ我さえ良ければの我が身思案が心を占めて離れないのです。

結局、神様に凭れる、親に凭れるとは・・・

教理を信じて実践する姿
身上事情の最中に安心して、たんのうの理を治める姿に他有りません。

それが親を恋い慕う子の姿。

理想の親

月日親神様はかくも恋しくなる親の鏡。

神の子である人間も、親神様のような理想の親になれるのでしょうか?
人間は神様のように命を創造することはできません。
様々な守護を与えることも、悪しきを払うこともできません。

しかし、親神様の心を詳しく聞き分け、親神様の心で子供を育てることは可能です。

いや、むしろ親神様はそれを望んでいるのです。
子を育て、子の喜びを見て共に楽しむことが、この世の至高価値。
月日親神様が、途方も無い年月を掛けて取組んだ人間創造という名の子育て。

人間が元(親神の心)を詳しく聞き分け、たんのうの理を治めることができるなら、子にとって安心して凭れられる親神も同じこと。
元を詳しく聞くからこそ親神様と同じ心になり、どんな時も子に恋い慕われる理想の親になれるのです。

まとめ

このもとをくはしくきいた事ならバ いかなものでもこいしなる

この世の大元である月日は全人類の親。
月日親神様を恋い慕う気持ちがないなら、まだ「元を詳しく聞いていない」と同じこと。

世界一列を見晴らす広い視野と、子の過ちを許し、どこまでも善へと導く慈悲の塊。
子の喜びを見て共に楽しむ事だけが生き甲斐の親。
子供可愛いばかりの親心。

月日にハせかいちううのこどもわな
かハいばかりをふもているから(17-49 )

どこまでも親を恋い慕い、親の言葉を求め、親の心に近づくことが信仰の眼目がんもく
それが陽気ぐらしへの一番の近道であり、一番の親孝行なのです。

 


六首
きゝたくバたづねくるならいうてきかす よろづいさいのもとなるを』はこちら

よろづよ八首 寿的解説 『きゝたくバたづねくるならいうてきかす よろづいさいのもとなるを』
「これは理の歌や 理に合わせて踊るのやで ただ踊るのではない 理を振るのや」。 みかぐら歌 第四節 よろづよ八首 第六首を寿的視点で解説!

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