一下り目 寿的解説 『五ッ りをふく』

一下り目 みかぐらうた

一下り目 寿的解説
『五ッ りをふく』

 

全文

一下り目

一ッ
正月こゑのさづけは やれめづらしい
二ニ
につこりさづけもろたら やれたのもしや
三ニ
さんざいこゝろをさだめ
四ッ
よのなか
五ッ
りをふく
六ッ
むしやうにでけまわす
七ッ
なにかにつくりとるなら
八ッ
やまとハほうねんや
九ッ
こゝまでついてこい
十ドッ
とりめがさだまりた
(なむてんりわうのみこと なむてんりわうのみこと)

 

五首

五ッ りをふく

理を吹く

概要

芽を吹く」は草木が芽を出すという意味ですが、春の訪れや生命の息吹を感じる力強い言葉です。
毎年、春になると決まって草木が芽吹くのは『自然の理』。

朝になり太陽が昇るのも『自然の理』。
夏になると蝉が鳴くのも『自然の理』。
秋がきて収穫できるのも『自然の理』。
冬になると雪が降るのも『自然の理』。
春に草木が芽を吹くのも『自然の理』。

地球が回り、太陽が燃え、宇宙が膨張し続けるのも、全ての自然現象は神様が定めた『自然の理』のままに運行し続けているのです。
自然の理』を定めたのは人間世界を創造した神様。
神様が『理を吹く』から、定められた自然の法則に従い春になると草木が「芽を吹く」のです。

つまり『理を吹く』とは、神様が定めた目的に向い『自然の理』が吹き出すこと。
神様が定めた目的は人間の陽気ぐらし。
その目的のために神様が『理を吹く』から、極大の宇宙から極小の原子が一体となって命そのものを生み出し、自然環境を整え生命活動を支えているのです。

地球上の全ての生命は『自然の理』に調和して生きていますが、その中に一つだけ調和を乱す要素があります。
そう、人間です。

青い空を光化学スモッグ、青い海を工業廃水で汚染し、綠の大地を砂漠に変え、乱獲により生態系のバランスを乱し、欲のために動植物を絶滅に追いやり、自らの業に苦しむ可笑しな存在。

なぜ人間は、神様が定めた『自然の理』に対して、人間独自の影響を及ぼすことが可能なのでしょうか?

その理由は、人間が『理を吹く』主体だから。
神様が『理を吹く』ことで自然環境を動かすように、人間も『理を吹く』ことで自然環境に影響を及ぼす権限を与えられているのです。

それが人間独自の理。『人間の理』。

人間の理

おさづけの理』を拝戴する時にいただく『おかきさげ』に『人間の理』が記されています。

それ人間という身の内というは、神のかしもの・かりもの、心一つが我がの理。心の理というは、日々という常という、日々常にどういう事情どういう理、幾重事情どんな理、どんな理でも日々に皆受け取る。

人間とは・・・

かしもの・かりもの
心自由
心通りの守護
これら三つの理が合わさって『人間の理』。

誰でも何の意識もせず、当たり前のように心を使いながら社会生活を営んでいますが、実のところ、心を使うだけでは指先一つ動きません。
心を使う度に神様が受け取り、心通りの守護を頂くお陰で指先や体全体、かしもの・かりものが動くのです。

つまり『理を吹く』とは心を使うこと

人間が心を使わない限り『自然の理』は静寂したまま調和を保ちますが、人間がひとたび心を使うと自然の調和不自然な波紋が現れます。
要するに人間が心を使い『理を吹く』ことで、自然破壊や自然保護の動きが加わり『自然の理』に様々な影響を及ぼしてきたのです。

しかし、これまで人間は『人間の理』を知らないため『理を吹く』自覚が無かった。
人間の理』を知らないため、正しい心の使い方が解らなかったのです。

理性の限界

だからと言って、人間は闇雲に心を使ってきたわけではありません。
人間は理性を備えています。

りせい【理性】
物事の道理を考える能力。道理に従って判断したり行動したりする能力。

人間は他の動植物と異なり、理性を備えているお陰で、現在のような文明社会を発展させることができたのです。

どうしたら安定した食料を確保できるのか?
どうしたら馬より速く移動できるのか?
どうしたら鳥みたいに空を飛べるのか?
どうしたら争いを無くし平和に暮せるのか?

海、山、森、岩石しかない原始的な世界から、ビルを建築し、道路を整備し、自動車、飛行機、船舶など様々な移動手段を開発し、電波やネットワークシステムで世界を一つに繋ぐ技術を発展させてきました。
しかし、その反面、欲のために沢山の動植物を絶滅させ、自然環境を汚染し、食料や資源を確保するため夥しい数の殺戮兵器を開発し、今やボタン一つで人類を滅亡させるに十分な核兵器を保有し世界的危機に瀕している状態。

なぜ人間は幸せを求めながら自滅に向かう選択を繰り返すのか?
自然環境のような大きな話ではなく、個人の生活においても、幸せを求めた結婚が不幸の元凶となり、幸せを求めて働き続けた挙げ句、家族との距離が離れ妻とも離婚し不幸のどん底に突き落とされる。
金銭的幸せを得るため他人から財産を強奪した結果、牢獄で自由を拘束され、痴漢で性的欲求を満たせると考えた結果、逮捕され社会的信用を地に落とす。

人間は理性を備えながら、時々、いや頻繁に不幸に繋がる選択を繰り返す。

理性的に行動したつもりが大惨事を引き起こす場合もある。
多くの胃袋を満足させるため漁獲量を増やした結果、魚の数が減少し乱獲が及ぼす影響に後悔するように、これで善しと判断した行動の結果が善になるか?悪になるか?
経験知からある程度予測はできても、未経験の領域での予測は極めて困難。
結果を見て原因の善悪を知るしか術はありません。
現在のコロナ禍でも、政府が判断した結果を後から批判することは簡単ですが、その判断が善か?悪か?初めから確信できる人間など存在しないのです。

なぜなら理性を備えていても、肝心の理が解らない
物事の道理を考える能力はあっても、善き理が解らないのです。
善を求めて判断した行動が、必ず善の結果に繋がる善き理を知らないのです。

善き理

善き理とは『人間の理』。

人間の理』を知らない故に、善き心の使い方が解らなかった。
人間の理』を理解できれば、前もって善き心を使い善き結果を得ることが出来るのです。

人間の理』を善く使えば、干ばつの時に天候を動かし雨を降らせることが出来る。
人間の理』を善く使えば、農作物が不作にならず豊年満作を確約できる。
人間の理』を善く使えば、自然と調和して益々豊かな恵みに与れる。

これは『人間の理』を知る者だけが使える善き心

普通の人間なら、心一つで自然環境を左右することは不可能と断言するが、それは自然の法則に縛られた不自由な心
人間の理』を知れば、心一つで自然環境(かしもの・かりもの)を左右(心通りの守護)する心の自由用を確立し、何の心配や不足もなく、ただ神様に凭れて善き心を使い、善き結果を確約できるのです。

・・・受け取る中に、ただ一つ自由という一つの理。自由という理は何処にあるとは思うなよ。ただめん/\精神一つの理にある。

これまで人間は心自由の理を有しながら、形に囚われて心不自由に甘んじてきた。

人間の理』を知って、はじめて心自由に生きる喜びを味わえる。

人間の理』を知れば、心一つで病が治まる。
人間の理』を知れば、心一つで争いが治まる。
人間の理』を知れば、心一つで天災地変が治まる。
人間の理』を知れば、全ての事象は心一つに与えられる守護。
人間の理』を知れば、全ては守護の賜。心は善き心に包まれる。

善き心とは守護を感じる喜びの心。
悪しきに負けず善き運命を切り替える喜びの種

見るもの、聞くもの、触れるもの、全ては『かしもの・かりもの
成り来ること全ては『心通りの守護』。
人間の理』を知れば、どんな難儀不自由の最中にあっても、必ず善き心を選択し未来に栄える喜びの種を蒔けるのです。

これが理を吹く人間。

神様の言葉を信頼し、神様に安心して凭れる人間は、自覚的に『理を吹く』喜びの主体。
理を吹く』から世界は豊年満作ところ繁盛になるのです。

まとめ

五ッ りをふく

これまで『人間の理』を知らず、無自覚に『理を吹く』結果に翻弄され続けた人間。

人間は心を使う度に『理を吹く』のだ。
心を使う度に自然の調和に小石を投げ、人間独自の波紋を作りだしているのだ。
これまでは『人間の理』を知らず、自然の調和を乱し続けてきたが、『理を吹く』主体を自覚した今、自然の調和に人間独自の善き心を加え、人間主体の陽気ぐらしの世界を形作るのです。


六首
六ッ むしやうにでけまわす』はこちら

一下り目 寿的解説 『六ッ むしやうにでけまわす』
「これは理の歌や 理に合わせて踊るのやで ただ踊るのではない 理を振るのや」。 みかぐら歌 第五節 一下り目 第六首を寿的視点で解説!

一下り目 目次

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「これは理の歌や 理に合わせて踊るのやで ただ踊るのではない 理を振るのや」。 みかぐら歌 第五節 一下り目を寿的視点で解説! 一下り目の目次です。

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